こんにちは。無職から派遣看護助手に転職した、ままるです。
BMWモトラッドが、創業100周年記念としてコンセプトモデルの映像を発表しました。
「転倒しない」AI内蔵の近未来バイク。
最先端のテクノロジーが満載の素晴らしいバイクですが、バイク好きの僕からすると「人類の危機」とも言える発想です。
世界が目指す「近未来」にはたして人間の「未来」はあるのでしょうか?
今日はそんなお話です。
https://japanese.engadget.com/2016/10/12/bmw-vision-next-100/
BMWコンセプトモデル「VISION NEXT 100」とは
BMWモトラッドが「近い将来」に実現出来るであろう新技術を搭載したコンセプトモデルです。
もちろんAIも搭載されています。
なんといっても特徴は、スタンド無しでも自立出来る「無転倒」バイク。
自動バランス機能を搭載し「バイクの最大のリスク」である「転倒」を排除したとのことです。
その為ライダーは、ヘルメットや防護ジャケットを着用する必要はありません。
またライダーは運転の際「Visor」と呼ばれるサングラスを着用。
この「Visor」によって走行中の危険物ななどを感知し、それに元ずく危険回避情報等をサングラス内に表示させるということです。
イメージ映像はこちら。
www.youtube.comまんま未来の映像ですね。
SF映画トロンレガシーに登場したバイクや
http://next-generation.blog.so-net.ne.jp/2011-07-03
AKIRAに登場した近未来のバイクを彷彿とさせます。
http://blog.goo.ne.jp/bbunta/e/d78ae049a41f26a11382a004d35fad37
これらのバイクは我々バイク世代の子供の頃からの憧れです。
それが今まさに実現されようとしている世の中で、強烈な違和感を覚えているのは僕だけではないでしょう。
その理由を書きます。
転ばないバイクなんてバイクじゃない
そもそも「転ばない」バイクなんて「バイクじゃない」と思うわけです。
バイクに乗る事は、確かにリスクを伴う事です。
冷静に考えて、エンジンの上になんの安全装置も無くまたがって、100kmのスピードを出すわけですから、高速道路を走行中に我ながら「なんて危険な乗り物なんだろう」と実感した事は何度もあります。
しかしバイクの魅力はその「リスク」も含んだものです。
「リスクがあるから楽しい」
これ、バイク乗りにしか分からないロジックなのかも知れませんね。
AI化は人間を間違いなく退化させる
人間をとりまく全てのモノやコトは、AIによって「便利」「安全」の方向に向かっています。
「無転倒バイク」
が実現されたとすると、初心者でも簡単に操作する事が可能でしょう。
一見すると「便利」という利点しか見出せませんが、その裏には欠点もあります。
バイクを操縦するのは、確かに危険です。
しかし人間は、その意識があれば経験から「より安全に操縦する」という「技術」を習得していく生き物です。
人間を取り巻くものが「不自由」なものであればあるほど、人間は「技術」でそれを補ってきました。
しかし世の中が人間の「技術」を必要としなくなるほど進化してしまった先、人間はいったいどうなってしまうのでしょう。
子供の頃、自転車に乗れるようになる為に何度も転んで練習した経験は、誰しもあると思います。
何度も転んで痛い思いをして、バランスを経験し自転車操縦の「技術」を身につけるわけです。
「ぜったいに転ばない無転倒自転車」
もそのうち出てくるでしょう。
そうなったら人間の「便利」が一つ増える代わりに人間の「技術」が一つ減る事になるはずです。
まとめ
上に紹介してある動画の中に、女性が家で窓の外を見ただけで、気温や天気等の情報が映し出されているシーンがあります。
いわゆるIOTですね。
スマホやPCのブラウザは必要なくなり、生活の全てのシーンがインターネットと繋がれるInternet of Thingsという考え方は、この先進む一方だと思います。
人類は太古の昔から「便利」をもとめて発展してきました。
しかしこれ以上の「便利」ははたして必要なんでしょうか?
「バイクに乗るリスク」
このリスクこそ、人生を生きている実感です。
リスクの無い人生なんて、伸びないラーメンと一緒です。
ラーメンは伸びる前のつかの間の一瞬だからこそ「美味しさ」を感じるわけであって、「不自由さ」が「価値」だったりするのです。
なんでもかんでもAIになり
なんでもかんでも「安全」になり
なんでもかんでも「便利」になる。
そんな100年後の人間の人生の楽しみって、いったいなんなんでしょうか?
「考える事」「経験する事」を辞めてしまった未来の人間。
考えるだけで恐ろしいですね。