こんにちは。無職から派遣看護助手に転職した、ままるです。
先日の朝日新聞に、気になる記事があったので今日は「外国人」問題に関して書いてみたいと思います。
介護医療における外国人労働者の受け入れ問題
日本での労働人口は、介護医療の業界だけでなく、全ての業界で減少の一途をたどっています。
そこで注目されるのは、外国人の労働力。
ひどく単純で、簡単な発想です。頭数として少なくなった分を、海外からの輸入に頼る。多くの日本の食料や資源も同じ考え方で解決されて来ました。
しかし、モノではなくヒトを輸入し、そのヒトを効率良く労働させ、その外国人労働者たちの人生まで幸せにしよう、というのは簡単な話ではありません。
この問題の難しい原因はいったいどこにあるのでしょうか。
日本語という壁
「日本語」は世界一難しい言語だと僕は思います。
ひらがな、カタカナ、漢字に加えて和製英語や、はやり言葉が日本語の日常会話の中には複雑に入り交じります。
複数の外国人の友達に、日本人の印象について聞くと、一番多い答えは
「日本人は笑わない」
でした。
日本人が笑わない理由は、実は「日本語」という言語にあるのではないか、とままるは思うわけです。
日本語は、言葉だけで、とても複雑で微妙なニュアンスまで伝える力があります。
一方外国語、例えば英語には、言葉に限りがあるわけです。
その言葉に足りないものを、多くの諸外国では表情やジェスチャーで表現します。そのため、日本人同士が、だまって座りながら無表情で話せる内容であっても、諸外国の人たちは、立ち上がって身振りを加えたりする必要があったりするのです。
日本人が外国人から見て「地味」に見えるのは、「言語」による理由が大きいのではないでしょうか?
日本で働く外国人は、まず「日本語」を習得しなくてはいけません。
理論として「日本語」を理解しても、それを我々日本人のよにネイティブに使いこなすには、ものすごく長い年月か、想像を絶する努力が必要です。
【日本人Aさんと外国人Bさんの会話】
AさんとBさんは向かい合って座っていて、Bさんの背後には窓があります。
Aさん「なんか暑くない?」
といって窓を見ます。
Bさん「そうですね。暑いですね」
ネイティブの日本語には。「窓を開けてくれ」という内容が「なんか暑くない?」に含まれているわけです。しかし、日本語を理論としてだけ勉強したBさんにはそれが解りません。
こんな難易度の高い言語は、世界中探しても日本語以外無いのではないでしょうか。
介護医療の現場での実情
ままるは看護助手として、医療現場で働いています。
ある寝たきりのおばあちゃんに、ナースコールで呼ばれて行ってみると、なにやらベッドで騒いでいます。
言語障害もある彼女は、一見なにを言っているかわかりません。
ひたすらナースコールを握りしめ、僕に怒鳴るように訴えかけます。
辛抱強く彼女の言葉を一言ずつ解読してみると、「テレビ」という単語がなんとか聞き取れました。
どうやらテレビが見たかったようです。
希望通りテレビの画面を見やすい位置に治し、テレビのリモコンを握らせてあげると、また怒鳴るように何かを言っています。
またしても注意深く解読したら
「ありがとう」
と言っている。
日本語を40年以上ネイティブで使い続けている僕でさえ、かなりギリギリの場面でした。来日して数年の外国人に出来るとはとうてい思えません。
患者さんとのコミュニケーションも難しいと思いますが、もっと大きいのは、現場の日本人達との人間関係だと思います。
ままるの働く総合病院には、医療施設から介護施設へ行き、再び医療施設に戻って来た看護師が何人もいます。
彼女達が口を揃えて言うのは、介護施設の人間関係の悪さです。
施設にもよるのでしょうが、介護施設はもともといる人間が幅を利かせ、介護精神とはかけ離れた心の持ち主がものすごく多いらしいです。
朝日新聞の記事内には、15分で40人以上の状態を引き継ぐ、という訳の分からない職務がありました。これが出来ずにせっかく日本に来て資格をとった外国人たちが、心折れて帰国すると言う馬鹿げた話です。
こんなの仕組みを変えれば良いだけだと思いますし、そもそも嫌がらせにしか見えません。こういう施設が変わらない限り、外国人どころか日本人の介護士だって定着させる事は難しいと思います。
外国人看護師・介護士を定着させる方法
とは言え、こちらの記事で書いたように、看護師や介護士の不足は深刻です。
具体的にどうしたら、より効率的に外国人の労働力を介護医療の現場に定着させられるのでしょうか?
ままるが現在やっている「看護助手」という仕事は、圧倒的な看護師不足の為、その補助をするセクションを作ろう、ということで作られたそうです。
実際看護の現場では、看護師が患者の身の回りの世話までしなくてはならず、本来の医療行為を行う時間が取れません。そこで看護助手が雑用を引き受け、有資格者である看護師に本来の医療業務に専念させる訳です。
看護師同様、介護士も不足しています。
そこで介護士にも「介護助手」のようなセクションを作り、効率化をはかれば良いのではないでしょうか?
「看護助手」も「介護助手」も厚生労働省が正式な職業としてガイドラインを定め、推進することが重要です。
こうすれば、言葉の壁がある外国人労働者も、いまよりスムーズに現場に入れて経験を積む事が出来るはずです。
そこで経験を積んで、看護師、介護士とキャリアアップして行けば、働く外国人達のやりがいや幸せを体現できるのではないでしょうか?
何れにしても危機的状態である介護医療の人手不足。
仕組みを大きく変えて、それを現場で徹底して行うオペレーション力が求められます。
介護医療の話は、ひとごとではありません。
この記事を読んでいるあなたも、いつか必ず受ける側になる話です。
最後まで読んでくれたなら、是非この機会に日本の介護医療について考えてみて下さい。
ご清聴ありがとうございました。