こんにちは。無職から派遣看護助手に転職した、ままるです。
いよいよと言うか、ついにと言うか、都内の地下鉄全車両に防犯カメラが設置されると発表がありました。
都営地下鉄は2017年の8月より設置を進め、東京メトロは来年4月より、日比谷線、丸ノ内線、銀座線の順番に防犯カメラの設置を進めるということです。
プライバシーの侵害等、多くの異論を持つ防犯カメラ。
今日は我々の生活を取り巻く「防犯カメラ」について考えてみたいと思います。
防犯カメラのプライバシー問題
現在日本中で500万台以上、都内だけでも数十万台の防犯カメラが設置されていると言われています。
(防犯カメラに関する過去記事はこちら)
【カナダ邦人女性殺人事件犯人逮捕】防犯カメラで犯罪は抑止出来るのか – グッドノージョブ
年々その設置台数は増え続け、特に都内では防犯カメラに映り込むこと無く一日外出することはもはや困難だと思われるくらい、あちこちに設置されていますね。
「防犯カメラ設置=プライバシーの侵害」
という意見がありますが、我々は現時点でどこの防犯カメラに映り込むことも無く生活出来る環境ではありません。
コンビニや銀行はもちろん、駅や商店街など様々な場所に防犯カメラは存在する訳ですから、今となっては防犯カメラを「公共のもの」と認識する必要があると思います。
あなた個人を、ひたすら取り続けている防犯カメラがあるとすれば大問題ですが、都民や国民のほとんどの人が撮られているわけです。
もはやプライバシーという考え方では、くくれないものなのではないでしょうか?
防犯カメラによる犯罪抑止力
現在では防犯カメラによる映像を、犯罪の決定的証拠として解決する事件や事故が相当数あるのも事実です。
外国の話ですが、北朝鮮の金正男氏殺害のニュースでは空港内の防犯カメラ映像が連日ニュースで流れています。
極論ですが、防犯カメラがあったとしても犯罪が起きる時には起きてしまいます。
しかしその後、その犯人が逮捕される可能性は防犯カメラがあるのと無いのでは雲泥の差が出るのは当たり前のことです。
2016年に起こった「コンビニATM不正引出し事件」では、3時間の間に全国のATMで一斉に不正引出しが行われ、18億円にのぼる被害が出ました。
その際に「出し子」と言われる現金の引出し役は、すべてATMの防犯カメラに映り込んでいたわけです。
実際現時点で、その事件に関与した22人が逮捕され、その逮捕者数は今後も増加すると見られています。
「出し子」の容疑者2人逮捕 ATM不正引き出し:朝日新聞デジタル
犯罪を能動的に行おうとする人間にとっては、防犯カメラの存在は気になるものの「なんとかなるんじゃないか」という心理で犯行に及ぶものと思われますが、現在の日本警察の捜査能力や防犯カメラの精度を考えると、まず逃げ切ることは出来ないのが現状です。
このような防犯カメラ映像による犯罪の逮捕者が増えれば増えるほど、防犯カメラによる犯罪の抑止力は高まっていくものと思われます。
地下鉄車両内の防犯カメラの意味
地下鉄車両内の防犯カメラ=痴漢撲滅
のイメージがあります。
迷惑防止条例違反となる、痴漢、盗撮、卑猥な言動として全国の検挙数の内、最も多いのが「電車内」での検挙です。
多くの女性の悩みである電車内での「痴漢、盗撮」行為。
鉄道警察官などが一定の容疑者をマークし、その現行犯を逮捕するという非常に地道な行為でしか逮捕出来ていないのが現状です。
その為、実際の検挙者数のデータの何百倍も、痴漢や盗撮行為によって不快な思いをしている女性が世の中にいると思われます。
僕は以前、スマホ用のアプリを開発する会社を経営していました。
事業の核となるアプリは、アーティストや企業のプロモーションを動画として再生するアプリでしたが、二の矢として違う市場を狙えるアプリを日々企画、チャレンジしていました。
その当時、僕が目を付けたのがこの
「痴漢や盗撮に悩む女性」
だったのです。
彼女達の役に立つような「痴漢撲滅アプリ」を何とか開発出来ないかと、鉄道会社に働きかけたことがありました。
その時に、鉄道会社の担当者から言われた一言が、いまでも心に残っています。
地下鉄全車両に防犯カメラが設置される本当の理由
一般にはあまりなじみが無いと思いますが、jeki(株)JR東日本企画という会社があります。
この会社はJR東日本の広告などを取り扱う会社で、当時僕が自社開発のアプリの企画を持ち込んだ窓口でもありました。
僕はスマホ用のアプリに、列車内のモニターシステムを連動させた「痴漢撲滅アプリ」の提案を行いましたが、結果的にはボツになりました。
その打ち合わせの中で、
「なぜ列車内には防犯カメラが無いのか?」
という僕の質問に対して、担当者は
「鉄道というものは公共のものです。」
「公共というものは全ての人という意味です。」
「つまり痴漢される人は一部であって、残念ながら全ての人ではない。」
「なので痴漢撲滅用に電車内に防犯カメラを設置することは難しいのです。」
と、非常に申し訳なさそうにコメントされていました。
なるほど…
痴漢される被害者側からしたら、頭に来るような考え方かも知れませんが、痴漢をするでもされるでもない「まったく無関係」の人の乗車賃から「痴漢撲滅用」に防犯カメラ費用を捻出することは「公共のもの」である鉄道会社では出来ない、ということなんですね。
では、いったいなぜ今回都内の地下鉄で全車両に防犯カメラを設置することが決まったのでしょう?
そうです。
2020年の東京オリンピックですね。
今回の地下鉄内の防犯カメラ設置の本当の理由は、2020年の東京オリンピック時の「テロ対策」が一番の大義名分なのです。
これなら列車にのる「全ての人」
の為になる、言わば「公共」の理由になり得るわけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
理由は「東京オリンピックのテロ対策」でも、都内の地下鉄車両内に防犯カメラが設置されることには変わりません。
これによって電車内の「痴漢や盗撮」被害は、劇的に減少するのではないかと僕は思います。
痴漢や盗撮行為を働いたことによって、人生を棒に振るようなひとも大勢いるのが現実です。
その行為を「防犯カメラ」は踏みとどまらせるに大きな力を発揮すると思います。
防犯カメラを設置する以上、そのデータの管理などは厳重に行ってもらいたいですが、電車に防犯カメラが設置されて困るのは、犯罪者だけではないでしょうか?
地下鉄車両内の防犯カメラによって、多くの女性の安心が確保されることを切に願います。
介護士ベイベー