つぶやき

契約社員のボーナス「正社員と同様」実現か|KDDI労働組合の提案がブラック企業を無くす理由

こんにちは。無職から派遣看護助手に転職した、ままるです。

KDDIが2017年の春闘で、KDDIの労働組合が「契約社員にも正社員と同じように、ボーナスを支給する」という要求をすることがニュースになりました。

契約社員のボーナス「正社員と同様に」KDDI労組が要求へ 数十万円のボーナスか (ホウドウキョク) – Yahoo!ニュース

増え続ける「非正規雇用」に関して、大きなひとつの動きになりそうです。

時代の変化を大きく象徴するこのニュース。

我々の働き方を考えるきっかけになるのではないでしょうか?

今日はそんなお話です。

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非正規雇用者の割合

2015年の段階で、非正規雇用者の割合は4割を超えたと言われています。

1980年代までは2割程度だったと言われていますから、その割合の上昇率はかなりのものです。

世間ではますます「正社員」の椅子が減り、正社員になりたくても職がない。

しかたなく「派遣社員」や「契約社員」として働いているひとも多いと思います。

2017年の春闘で、KDDIの労働組合が「契約社員」にも社員と同じようにボーナスを出す、という要求をすることが分かりました。

 

KDDIの契約社員は、全社員のおよそ3割。

仮に労働組合側の意見が通ったとすると、KDDIの契約社員の収入は現在より上がるということになります。

この動きは社会にとって、いったいどんな意味があるのでしょうか?

正社員で働くメリット、デメリット

そもそも「正社員」として働く意味はどこにあるのでしょうか?

単純に言うと「正社員」の1番のメリットは

「会社側が一方的に雇用を打ち切れない」

という点に尽きます。

さらに、ボーナスを含めた福利厚生がある「正社員」にメリットを感じる人は未だに多いと思います。

では逆に「正社員」のデメリットはなんでしょうか?

それは日本流で言う「責任」です。

正社員で雇用することと引き換えに、日本のほとんどの企業では正社員としての「責任」を押し付けます。

本来仕事とは、雇われた側が本人のパフォーマンスを充分に発揮する、つまり真面目に一生懸命働く、というのは大前提です。

お金を貰う以上当たり前のことです。

しかし日本の多くの企業では、この「働く当たり前」とはまた別の「正社員としての責任」を押し付ける文化が未だに色濃く残っています。

もし会社で派遣社員が休んだら

あるプロジェクトを進行中、急に派遣社員が体調不良で休んだとします。

そのしわ寄せは間違いなく「正社員」に降り掛かります。

「だって正社員だろ」

という理由で、人員が足りない中でも必死にプロジェクトを遂行しなくてはいけません。

おかげで数日間残業続きの正社員が、今度は体調不良になりました。

しかし簡単に会社を休む事は出来ませんよね?

そこには正社員としての「責任」があるのですから。

これ、日本企業のあるあるだと思います。

古くから日本人が美徳としてきた「責任」。

これっていわゆる「ブラック企業」の温床になっているのではないでしょうか?

ブラック企業の温床は「正社員」制度にあった

長時間労働やパワハラなど、多くの社会問題の原因は日本の「正社員制度」にあると思います。

「正社員」という肩書きにしがみつかなくてはいけない、という心理から多くの人は考えられないような環境下でも仕事を続けてしまいます。

心身に支障をきたしてしまっては、そもそもなんの為に仕事をしているのか分かりません。

日本の「正社員」という常識に犯されてしまうと冷静な考えすら持てなくなってしまうから恐ろしい物です。

それでも

正社員=安定

契約社員=不安定

と考える人もまだまだいると思います。

しかし、この考えも大枠で考えるともうすでに成り立たない所まで来ていますよね。

この先、日本という国に「安定」が無いわけですから、その日本にある企業に本当の意味での「安定」なんてあるはずがありません。

仕事ってなんの為にするの

欧米や諸外国では、いわゆる日本の「正社員」というニュアンスの雇用体系はほとんど存在しないはずです。

すべての仕事は「契約」ですし、雇用される側は「契約」の範囲内の仕事をしてその対価をもらいます。

多くの外国人にとって、自分の「契約」時間外の仕事を無償でする「サービス残業」なんて首を傾げるばかりだと思います。

しかし日本の企業の場合「正社員」という立場を維持していく為に、会社の都合をのまなくてはいけない風潮があります。

そもそも仕事ってなんの為にするものでしょうか?

「仕事」の為に「人生」を生きる。

「人生」を生きる為に「仕事」をする。

日本の「正社員」制度は、どうにも前者に見えて仕方がありません。

時代の多様化の中の正社員

日本という国が、以前のような高度成長を永遠に続けていれば話は別です。

しかし、時代は変わりました。

時代は多様化のベクトルをもの凄い勢いで進んでいます。

(多様化に関しての別記事はこちら)

40代50代で失業したら?中高年の転職に介護福祉業界をすすめるたったひとつの理由 – 介護士ベイベー

今や10年後、20年後に生き残っている会社を見つける方が大変です。

そんな中でも

「仕事」の為に「人生」を生きる。

ことが本当に幸せなことなのでしょうか?

KDDIの動きは日本の未来の縮図

今回のKDDIの労働組合の動きは、未来の日本の働き方への大きなヒントになると思います。

契約社員にも、一定の福利厚生とボーナスが支給されれば、日本の今まで抱いてきた「正社員」への妄想神話がまたひとつ減るような気がします。

こういった働き方が増えるということは、欧米や諸外国の働き方に近づいていくということです。

日本では、ある一部の企業を除いて「正社員」を以前のように大勢抱える企業は、ますます少なくなっていくはずです。

多様化していく時代に「正社員」を抱えるメリットは企業側にありませんからね。

まとめ

古くから日本では、会社に人生を捧げて働くことがある種美徳とされてきました。

もちろん、本人がそういった生き方がしたければそれはそれで良いと思います。

世の中が多様化しているということは、働き方も多様化しているわけです。

なので、自分が本当にしたいと思った「働き方」を選べる人こそ、幸せな人生に近づけるのではないでしょうか。

 

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