つぶやき

「起業」と「フリーランス」の違い|若者が会社を辞めてフリーランスを目指してはいけない理由

こんにちは、4月から現役介護士になった、ままる@mamaru0911です。

前回のエントリーで

フリーランスとは単なる外注先に過ぎない

というような記事を書きました。

「会社を辞めてフリーランスになる!」という若者の大きな誤解 – グッドノージョブ

現在、ブログ界隈で若者に大人気の「フリーランス」というワードのイメージ

  • なんか良くわからんがカッコいい
  • 自由そう
  • 社畜を脱した成功者
  • クリエイティブ感を感じる

この発想は、現実の「フリーランス」とはかけ離れたものだと言う事です。

では、実際の

「起業」という行為も「単なる外注先」に成り下がる行為なのでしょうか?

今日はこの辺を掘り下げます。

Creative

起業とフリーランスの違い

「起業」「独立開業」「フリーランス」

これらの言葉には、若干のニュアンスの違いがありますよね?

共通しているのは、どの立場も企業や組織等に「雇用」されずにお金を稼ぎ出す、という働き方という点です。

 

ややこしいのは「起業」したとしても、その仕事内容が起業家個人のフリーライターだったら「起業」「フリーランス」は同義語になってしまうという点です。

「起業」というのは、必ずしも複数人である必要はありません。(法人化の際、登記上は複数人が必要となる場合ももちろんありますが)

ひとりぼっちでも「起業」は出来ます。

先のエントリーにも書きましたが、実際の世の中で使われる「フリーランス」という言葉の多くは「外注先」というニュアンスです。

それに対して「起業」という言葉のイメージは、単なる外注先でなく

自らオリジナルコンテンツを創るべく、新たに会社を立ち上げる

というニュアンスです。

まあ実社会では、本当に正確な定義での言葉が必ずしも使われているわけではないので、あくまで僕の主観のイメージなんですけどね。

フリーランスのエンジニアの仕事内容

フリーランスのエンジニアの実際の仕事の流れを、具体的に説明します。

例えばIT関係企業のA社があったとします。

A社はホームページ制作を本業とする会社で、内製要員としてシステムエンジニアやデザイナーなどを正社員として雇用しています。

そこにB社からHP製作の依頼が入りました。

予算は300万円。

ところがその時のA社は、会社を上げた大きな案件に取り組んでおり、B社のHPを製作するリソースが足りませんでした。

そこでA社はB社の「HP製作案件」をフリーランスのエンジニアに外注します。

エンジニアへの報酬は100万円です。

フリーランスのエンジニアは、個人でやっていますので「100万円」という報酬は小さなものではありません。

ですのでA社のわがままを全て聞き入れ、B社の「HP製作案件」をこなします。

A社としては、自社内で足りないリソースを外注で補い、案件のざっくりとしたディレクションをするだけで、200万円の利益が出ます。

企業にとっての200万円は、大きな金額ではありませんが今後のB社からの仕事を継続して受注する為にも、是非こなしておきたい案件だったわけです。

ここで問題なのは、外注先であるフリーランスのエンジニアに「クリエイティブ性」はゼロだということです。

フリーランスのエンジニアに求められるのは「B社の要望通り」のHPを作る事です。

さらにそこにはA社のバイアスも掛かってきますから、なおさらエンジニア本人の個性なんて出す余地はありません。

ちなみにこのA社は、僕が以前起業した会社です。

起業してオリジナルコンテンツを創る

 一方、起業してオリジナルコンテンツを創るとはいったいどういうことでしょうか?

分かりやすい例は「飲食店」の開業です。

Aさんは、父親の仕事の関係で子供の頃から海外で生活して来ました。

最終的には日本の大学を卒業し、当時の三和銀行に入行します。

ある時アメリカで、とても美味しいコーヒーに出会います。

そのコーヒーは、シアトル地区でもまだ数店舗しか展開していないローカルチェーンでしたが、その味に惚れ込んだAさんは、アメリカ本国のそのコーヒーチェーンにフランチャイズ権を獲得させてくれと熱烈にアピールします。

Aさんの努力の甲斐あって、フランチャイズ権を獲得、その後Aさんは銀行を退職し数千万円の借金をして銀座に一号店を出店します。

ところがAさんは、コーヒー屋はおろか飲食店でアルバイトの経験もありませんでした。

銀座という好立地でありながら、知名度ゼロのそのお店は連日の閑古鳥。

赤字の日々が続きます。

それでもAさんは諦めません。

毎日朝7時から店を明け、深夜の掃除まで自分でこなしそのまま店で寝袋で寝る、という生活を繰り返しました。

Aさんのコーヒーへの情熱は薄れる事無く、一人でも多くの人にその味を味わって欲しいという信念で日々の営業を続けました。

 

この商品はAmazonで561円で購入できます。

(僕が若かりし頃読んだ良書です。ベンチャーを立ち上げたい人には必読の一冊です)

 

Aさんとは「タリーズコーヒー」を日本で創業した松田公太氏のことです。

著書の中に、松田氏が立ち上げたタリーズコーヒー秘話が詰め込まれています。

この本を読んでから、タリーズのコーヒーを飲むとまた別な味に感じます。

残念ながら現在は伊藤園にその経営権が譲渡されていますが、日本で600店以上を展開するコーヒーチェーンも最初は一店舗のベンチャーでした。

タリーズコーヒーは、コーヒーの味こそ本国のものですが、店舗運営や経営理念などは松田氏が創り上げた「オリジナルコンテンツ」です。

オリジナルコンテンツを創る難しさ

僕は人生で二度、自分で会社を創業してきました。

そこで痛感したのは「オリジナルコンテンツ」を創る難しさです。

世の中に存在しなかったものを「創る」という行為は、とてもエキサイティングな経験です。

しかし苦労してものを創っても、市場は自分の思った通りには反応してくれません。

よくよく考えれば簡単なことですが、世の中に無かったものを創るということは「知名度ゼロ」からの挑戦だからです。

自分の創ったものに市場が反応し、受け入れてくれるまでには多くの労力と「時の運」が必要です。

また運良く「ビッグヒット」を飛ばしても、二の矢三の矢を放ち続けなければ、世の中で勝ち続けることは出来ません。

僕ら世代では知らない人はいない、ゲーセンゲームのこれ。

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http://cpsfm.seesaa.net/article/189506182.html

「ワニワニパニック」というアーケードゲームですね。

このゲームを作っていたKHP(旧ホープ)が先日事実上の倒産をしました。

倒産:ワニワニパニックの製造会社KHP、特別清算へ – 毎日新聞

これほどのビッグヒットを創ったメーカーでさえ、二の矢を放てずに潰れてしまうのが、商売という厳しいステージなのです。

「オリジナルコンテンツを創る難しさ」

とは、最初のヒット商品を創る難しさはもちろん、その後も永遠にヒット商品を生み出し続けなくてはいけない、ということなのです。

レールから外れる人生とはオリジナルコンテンツを自ら創るということ

「レールが敷かれている人生なんてつまんないから」

僕はフリーランスになりました。

と言っている若者をみると、思わず笑ってしまいます。

フリーランスって、結局発注元の指示を形にするだけの「外注先」なんです。

もしあなたが、本気で

「レールが敷かれている人生なんてつまんないから」

と思っているのなら、

自らオリジナルコンテンツを生み出して下さい。

そしてビックヒットを飛ばし、さらなるヒット商品を死ぬまで生み出し続けて下さい。

それが

「レールから外れる人生」

ということです。

その自信と覚悟がある若者がいたら、僕はこう言いたい。

今すぐ会社を辞めましょう!と。

まとめ

「生みの苦しみ」

という言葉があります。

オリジナルコンテンツで勝負した時、全ての責任は自分に返ってきます。

起業とは、言い訳の効かない「背水の陣」です。

あなたが起業して、一度でもビッグヒットを飛ばしたら自らへの自信は自分で思っている以上に大きく膨らみます。

そしてヒット商品を生み出すごとに、その自信は高まり幸福感を与えてくれます。

しかし事業に失敗した時は、自らの存在そのものが否定されます。

まさに「生きるか死ぬか」

起業とはそういう類いのものだと僕は思います。

フリーランスで自分ひとりが生きていく事は、そこまで大変な事ではありません。

良質な発注先さえ押さえておけば、なんとかなるのがフリーランスです。

若者であれば、単なる外注先である「フリーランス」を目標にするのではなく、自分にしか創り出せないオリジナルコンテンツを是非「起業」して生み出して下さい。

 

 

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