こんにちは。無職から派遣看護助手に転職した、ままるです。
昨日、栃木県宇都宮市の日光サーキットで開かれていた「ドリフト競技大会」で走行中の車からタイヤが外れ、競技関係者の女性に直撃し、30代のその女性は意識不明の重体だというショッキングなニュースが流れました。
ドリフト大会でタイヤ外れ女性に…意識不明(日本テレビ系(NNN)) – Yahoo!ニュース
危険と隣り合わせのモータースポーツ。
ドリフト競技はここ最近、日本を中心に世界に広まっていただけに、この事故をきっかけに、競技自体が見直されることもあり得ると注目を集めています。
日本は欧米に比べると、モータースポーツ後進国です。
この事故はその理由を物語っている気がします。
今日はそんなお話です。
D1 STREET LEGAL Official Website
ドリフト競技とは?
「ドリフト」とは車のタイヤ(主に後輪)をコーナーで故意にスライドさせ、ハンドル操作(主に前輪)とアクセルワークで車体を操り、まるで氷上を滑っているかのように車を運転する「走行方法」の一種を言います。
以前は公道の峠道や人気の無い埠頭などに夜な夜な愛好家が集まり、違法行為の一種として、一部のマニアに親しまれてきた「ドリフト」。
しかし2000年を超えたあたりから、違法行為としてのドリフトではなく、サーキットでの「競技」としてのドリフト、通称「D1グランプリ」が開催されるようになります。
以前は後ろ指をさされる違法行為でしかなかった「ドリフト走行」ですが、D1グランプリが始まるとその人気は海外まで飛び火し、現在では世界的な競技として認められています。
「ドリフト」はおじさん世代では意外なほど有名
D1グランプリの旗揚げにも参加している、元レーサーの土屋圭市氏。
ままるおじさん世代の男性にはかなりの知名度がある人です。
土屋圭市、またの名を「ドリキンの土屋」。
「ドリキン」とは「ドリフトキング」の略称ですね。
今となっては廃刊相次ぐ車雑誌ですが、僕らが若い頃は様々な車雑誌の表紙を飾る有名人でした。
ドリフトと言えば「ドリキン」。
もしくは「イニシャルD」です。
https://plus.animax.co.jp/programs/detail/74-00043#contents
ドリフトに青春を掛けた主人公を描く「ドリフトと言えば」の超人気作品です。
アニメやゲームにもなっているので、ご存知の方も多いかも知れませんね。
ドリキンやイニシャルDに熱い思いがあるのは、主におじさん世代だとは思いますが、この「ドリフト」を今のような「競技」にした功績は素晴らしいものだと思います。
なにしろ日本はモータースポーツではかなりの後進国。
F1やバイクのロードレースなども、世界で通用するような選手は現在でもほとんどいないような状態です。
そんな日本が発祥なのがこの「ドリフト競技」。
日本から世界に発信され、その人気が年々高まっていただけに、今回の日光サーキットでのタイヤ直撃事故は、ほんとうに悲しい出来事です。
重体との報道がされている、女性の容態も心配ですが、今回の事故が日本の「ドリフト競技」に与えるダメージも相当大きなものになりそうです。
日本のモータースポーツはなぜメジャーにならないのか?
最近では以前では考えられなかったくらい、日本人スポーツ選手の海外での活躍が目立ちます。
野球、サッカー、テニス、ゴルフ、フィギュアスケート…
しかし、日本人の参戦の歴史は古いものの、モータースポーツだけは一向に脚光を浴びません。
その理由は
日本の社会がモータースポーツを毛嫌いしている
この一点に尽きます。
未だに日本では車、バイクと言えば「暴走族」のイメージなんです。
暴走族がほぼ絶滅した現在でも、依然イメージが悪い。
確かにそういった「不良」は実際に存在し、暴走行為で世間に迷惑を掛けているのは事実です。
しかし純粋に車やバイクをモータースポーツとして愛している人達がいるのもまた事実なのです。
一部の「暴走野郎」のおかげで、日本におけるモータースポーツのイメージは未だに上がらず、世間一般では「スポーツ」として認識されていない悲しい現実があります。
日本唯一のドラッグレース
限られた直線コースをひたすらタイムだけで争う、欧米ではメジャーなモータースポーツである「ドラッグレース」。
ままるはバイクのドラッグレースを日本で唯一開催している「JD-Ster」という団体の運営に、過去に1シーズン関わっていたことがあります。
JD-Ster|ドラッグレースの楽しさを広く知ってもらう目的で「走行会」を企画・運営しているJD-STER
「日本で唯一」のドラッグレースも、バイク屋の気の良いおじさん達が集まって、利益度外視で行っているマイナーなものです。
とは言えJD-Sterも走行中の事故やトラブルを何度も乗り越え、「ドラッグレースがやりたい」という信念と情熱のもと現在も元気に運営されています。
欧米では大きなスポンサーがついて大々的に行われているドラッグレース。
日本では走行出来るレース場すらままならないくらい、立場的には依然厳しいのが現実です。
嫌われ者だからこそ事故には気をつけて欲しい
日本の世間やメディアは、自分達が毛嫌いしているものに対して余計に厳しく批判します。
もちろん、今回の日光サーキットでのドリフトタイヤ直撃事故に関しても、徹底的な事故の原因究明と事故を二度と起こすことの無い対応策が求められます。
なにより事故に遭われた女性の方への、保証や対応も求められます。
野球でもサッカーでも、事故や怪我はつきものです。
しかしモータースポーツに対する風当たりは、その比ではありません。
せっかくメジャーになりつつあった「日本のドリフト」の火を、消すか消さないかの分かれ道は、起こってしまったことに対する責任と対処をしっかりとすることだと言えます。
まとめ
もちろん、ドリフト競技大会の運営も事故に対する細心の注意を払ってのことだったと思います。
しかし事故が起こってしまった以上、日本の社会ではルールの締め付けが起きても不思議ではありません。
「毛嫌いされているモータースポーツ」
だからこそ、絶対に事故を起こすべきではなかったのです。
車、バイク好きの一おじさんとして、なんとかこの危機を業界含めて乗り切って欲しいと切に願っています。