こんにちは。ままる@mamaru0911です。
国内の仮想通貨大手取引所「コインチェック」の口座から、2017年1月26日何者かのハッキングにより、日本円にしておよそ580億円のNEM(ネム) (XEM)が流失する事件が起きました。
同社は同日深夜、会見を行い当時現在の状況を説明。
1月28日深夜に「不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償方針について」リリースを行いました。
不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償方針について | コインチェック株式会社
補償に関しては、コインチェックにてNEMを保有する会員約26万人全員に対して、日本円で返金すると発表しました。
これにより僕がコインチェック内で保有していたNEMも補償されることになりそうで、一コインチェックユーザーとしても内心ホッとしています笑
この一連の「コインチェック問題」ですが、元経営者として同社の会見から、その他の報道に違和感を感じずにはいられません。
今日はそんなお話です。

http://ka-soku.com/archives/6725467.html
目次
コインチェックNEM流失問題とは?
過熱する仮想通貨市場。
その中で今回、国内大手「コインチェック」が日本円にして580億円相当の仮想通貨NEMを何者かによるハッキングで流失しました。
1/26日午後になり、同社はNEMの売買、入出金を停止。その後ビットコイン以外の全ての仮想通貨の売買、入出金、また日本円の出金も完全停止。
コインチェックを利用するユーザーの資産は、完全にロックアップされた状態になり、ネット上では大炎上が起こりました。
「コインチェックはこのまま倒産」
「コインチェックに入れていた資産は全て消滅」
など、twitter上では「マウントゴックス」の再来を予感させるツイートが後を絶たない状態でした。
しかし1/26深夜になり、コインチェック社はこの問題に関しての緊急会見を開きました。
コインチェック(coincheck)記者会見「全文」書き起こし – 仮想通貨の窓口
同会見で、和田代表取締役と大塚取締役は終始
「顧客の資産保持最優先」
「詳細は現在検討中」
を繰り返し訴えました。
そしてさらに一日経った1/28日未明、同社は失われたNEMへの補償として「日本円での返還」という対応策を発表しています。
会見での報道陣質問がひどすぎた
僕はコインチェックを、仮想通貨投資の取引所のひとつとして利用しています。
さらにコインチェック内にNEMを保有するユーザーの1人でもあります。
そんな僕も当然コインチェック社の動向は気になり、1/26深夜の会見をリアルタイムで視聴していました。
しかし、その会見にはもの凄い違和感を覚えました。
それは同社の経営陣の発言にではなく、質問する側の報道陣達に対してです。
「セキュリティーが甘かったとの認識はあるんですか!?」
「CMを打って顧客獲得をしたのは優先順位が違うのでは!?」
「過半数もってる株主ならさっさと好評してください!?」
もう、馬鹿なんですか?と思いましたよ。
同会見内での報道陣の質問を見て「本当に日本のマスコミは終わってるなぁ」という感想しか持てませんでした。
報道陣が報道の本当の意味を取り違えていないかい?
報道する意味ってなんでしょうか?
それは「視聴者が本当に知りたい内容、真実を報道する」という事です。
例えば今回のコインチェック問題の場合、僕を含めたコインチェックの会員は、自身の資産が安全に確保されるのかどうかってのがまず気になる訳です。
コインチェック社が、問題発覚当日に会見を開いた真意はまさにここにあると思います。
会見時点で、同社では今後の対応、対策は完全にまとまってなかったはずです。
当たり前ですよね?問題発覚から半日程度しか経ってない訳ですから。
まさに様々なことが「検討中」だった訳です。
その「検討中」でも、なぜ彼らが無理矢理会見をしたのか?
僕を含めた会員に「顔を見せる」という目的が一番だったと思います。
仮にあのタイミングで会見を開かず、あと半日や数日経っていたらいったいどれほど会員や市場は不安になったでしょう。
「とにもかくにも問題は起こってしまった、でも我々がその対応はします。」
というコインチェック側の意思表示が、あの会見の場だったんだと思います。
それを質問する側の報道陣は完全に取り違えています。
あれではまるで、今回の事件でコインチェック社が破産、会員全ての資産が返済不能、と確定した時の記者会見のようなノリだったと思いませんか?
良く考えてみて下さい。
580億円分のハッキングは、僕の知る限り史上最高額です。
そんな大問題が発覚した当日に、経営陣が速攻で会見できる会社がどれほどあるでしょうか?
2018年の成人の日当日にやらかした「はれのひ」の社長が、奇しくも同日の日中にのこのこ出て来てましたが、どちらの経営者が優秀かは語るまでもありませんよね。
マスコミが報道したい内容
コインチェック社の会見において、複数の報道陣が同じ質問を何度もしていましたが、とりわけ彼らが聞きたがったのは
「利用者人数、会社の保有資産」
ですよね。
その最大の理由は、彼らが報道するに当たっての「見出し」にあります。
「コインチェックNEM580億円分流出!300万人分の資産がゼロに!」
みたいな見出しを書きたいわけですよ、彼らは。
その為に何とかその数字を公表しろと食い下がってた訳です。
幼稚すぎてほんとに呆れました。
最近のマスコミを見ていて思うのが、完全に「人の不幸」を取りにいっている風潮がありませんか?
有名人の不倫騒動をはじめ「人の不幸」はアクセスが高い笑
テレビ、新聞、雑誌などの既存のメディアは、売上的にも体力的にもすでに限界が近いと僕は思います。
なので本来「視聴者が本当に知りたい内容、真実を報道する」という責務ではなく、「売れるネタ=人の不幸」に走り過ぎちゃうのではないでしょうか?
1/28になって、コインチェック社が会員のNEMの補償を発表すると
「自己資本で全て補償出来るなんて、いったいどれほど儲けてるんだ!?」
みたいなネガティブ報道笑
マジでどうなってるんでしょうか?この国のマスコミは。
「だから若いヤツは」と言いたいおやじ達
コインチェックの代表取締役である和田晃一良氏は若干27歳。
「ビリギャル」を排出したSTORYS.JPを開発したことでも有名です。
そんな彼率いるコインチェック社の今回の騒動に関して、マスコミを含む世間のおやじ達は
- 仮想通貨なんて怪しいもので儲けている若造
- それ見たことか!
- 潰れてしまえ!
のような感情が根底にあるようにしか見えないんですよね笑
しかしこれ、なんだか見覚えある現象じゃないですか?
そうです。
ライブドア当時のホリエモンへの世間の風当たりに似ていませんか?
どうして世間と言う物は、いつまで経っても若者の成功に否定的なんでしょうか?
僕には単なる妬みにしか見えません。
地上波のニュースやワイドショーなんかでの報道を見ると、仮想通貨のかの字も知らないおやじたちがあーだこーだ言ってますが、ほんとに的違いな意見ばかりで呆れ返ります。
そんな地上波しか情報源を持たない大人達は、そんな彼らの意見でも信じてしまう訳ですよ。
「マスコミ=真実」
と思っていた時代はとっくに終わっています。
そろそろマスコミも、白旗あげてネットの中の人を地上波に載せるべきだと僕は思いますけどね。
コインチェック会見のしどろもどろの真相
多くのマスコミは、コインチェックの経営陣の会見を「しどろもどろ」と表現しています。
何かにつけては「株主に相談しないと…」
という彼らの発言が揚げ足を取られている形ですね。
なぜ彼らは会見で、発言をボカシ続けたのでしょうか?
その最大の理由は「仮想通貨市場への影響」を懸念したのだと僕は思います。
現在の仮想通貨市場は、世界的に黎明期にあります。
今回のコインチェック騒動によって、今後の仮想通貨の未来が大きく左右すると言っても過言ではありません。
それをコインチェックの経営陣は良く知っていた訳です。
一私企業であるコインチェックの失態が、今後の仮想通貨の未来を閉じてしまう可能性も充分あったわけです。
だから誰がなんと言おうと、余計な事は言わないと覚悟して会見に望んだのでは無いでしょうか?
実際、彼らの会見後NEMをはじめアルトコインの市場は通常に戻りつつあります。
市場の反応こそ全てです。
そういった意味では、彼らの対応は今の所間違っていなかったと言えるのでは無いでしょうか?
コインチェックの今後
とは言え、今回の騒動はコインチェック社のセキュリティの甘さが招いたという事実は間違いありません。
コインチェック社は今回の損失に関して、NEM保有会員全員への補償を公言しています。
しかし2018年1月28日現在で、コインチェック内での入出金処理は依然ロックされたままです。
明けた29日以降、入出金が解除されたと同時に多額の資金がコインチェックから引き出されるのは目に見えています。
そこをどう乗り切るかが、当面のコインチェック社の課題でもあります。
しかしコインチェックの今回の会員に対する対応は、今の所会員である僕としては安心出来るものだと思っています。
仮想通貨投資の是非
今回のコインチェック騒動は、特に日本国内では仮想通貨市場の過熱に冷や水をかける形になるのは間違いありません。
「仮想通貨=危ないもの」
というイメージは、間違いなく一部の人には植え付けられたと思います。
しかし重ねて言いますが、今回の事件のような事例を含めて仮想通貨はまだまだ黎明期なんです。
なので「資産を減らしたく無い」という様な方は仮想通貨投資をするべきではありません。
実際僕はコインチェックに資産の一部を預けていましたが、今回の騒動で半ばその全てが消失する覚悟をしていました。
結果的には資産が目減りする可能性は、現在の所ほぼ無くなりましたが、自身のツイートでこんな事を言っています。
coincheck問題、実は大したこと無かったんですよ、なんてことがあったら逆に爆上げしそうw
それだけ実体の無い情報に翻弄される仮想通貨投資を自らの意思でやってるんだから、個人投資家は完全に自己責任だわな。#nem #coincheck #破産 #倒産 #会見— ままる@月収50万介護士 (@mamaru0911) 2018年1月26日
コインチェックの資産は諦めて、この問題が発覚して暴落していたNEMを別の取引所Zaifでしっかり底値でキャッチしました笑
コインチェック社が会員にNEMの補償をリリースしてから、NEMは再び高騰、この記事を書いている今現在、仕込んだ時点から1.4倍ほどに上がっています。
「ピンチはチャンス」
このくらいしぶとさが無ければ、仮想通貨投資なんてやってられません笑
今回のコインチェック問題が良い例ですが、何があるか分からないこの市場では、複数の口座を持っておくのはもはや当たり前のことですよね。
Zaifはコインチェックより手数料も安く、「積み立て」も出来る取引所です。
まだ口座を開設していない方がいたら、是非作っておく事をおすすめします。

そんなZaifも、不正出金された経緯もあります。
万が一資産が吹っ飛んでも「しょうがないか」と思える人でなければ仮想通貨投資なんてやるべきではありません。
そう思える人は、日本の銀行口座に大切に日本円を保管しておくのが懸命です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
コインチェック問題に関しては、もちろん今後も油断出来ません。
しかし何がどうなるかまったく前例のない「仮想通貨」市場の中、投資する側もそのバックボーンを作る側も多大なるリスクを背負いながら進んでいるというのが現状です。
僕が仮想通貨投資をはじめて、良かったなと思うのは「時代の先端にいる実感がハンパ無い」ということです。
今回のコインチェック騒動にしても、実際自分がコインチェックの会員で無ければ、それほど実感なく過ぎ去ってしまったニュースだったと思います。
5年10年先には、きっとこのニュースは歴史の一部になっています。
そんな問題に実際に自分が関わっているというのは、興奮以外の何者でもありません。
仮想通貨市場は、まだ始まったばかりです。
今後さらなる事件や事故が多発するんだと思います。
でも僕は、そんな時代の先端に多少のリスク覚悟で乗っていたい。
これが僕が仮想通貨投資を続ける最大の理由です。
「安全にお金を増やしたい」
という人は、そもそも考えが矛盾しています。
リスクを取るからこそ、リターンがあるのが世の中の常というものです。
「安全」「確実」を望んでいる人は、だまって資産を銀行に寝かせる鳴り自宅の金庫に保管するなりした方がいいですよ。