こんにちは。現役介護士のままる@mamaru0911です。
最先端の「ラブドール」が凄い事になっているようです。
世界初!喋る「ラブドール」 AI搭載、好みの性格やタイプを作れる | Abema TIMES
AIを搭載し、しゃべる事はもちろん、性格を持った反応をするというものです。
ラブドールの進化は目覚ましく、シリコンを使った「素材」も最近では人間のそれにかなり近いということです。
ラブドールの詳細についての言及は避けますが、僕はこの「ラブドール」の進化が、日本の未来にとって重要な意味があると思っています。
今日はそんなお話です。
そもそも人形の役割とは
そもそも人形の役目ってなんでしょうか?
人形の役目って「人間の代替品」だと思います。
子供の頃遊んだ人形も、大人になって集めているフィギュアも、当然ですが人間をモチーフにした「人間の代替品」です。
本来であれば「人間」であればより良いのですが、人間を所有したり保有したりすることは不可能なので、その代替品である「人形」を所有するわけです。
まあ「人形」の方が、実際の人間を所有するより都合が良い面も多いですからね。
家に実物のダースベーダーがいても困りますから。
人間をモチーフとした「玩具」が人形であるとするなら、人形の持つ魅力とは「癒し」効果が一番では無いでしょうか?
僕も子供の頃、タオル地で出来た猿の人形を片時も話さず握っていた記憶があります。
その猿は、最後は原型をとどめずに「布切れ」のような姿で消滅してしまいました。
子供にとって、人形は常に自分の側にいてくれる「味方」です。
その気持ちの根本は、大人になってもどこか変わらない所があると思います。
人間は、本能の奥底で「常に寄り添ってくれる存在」を求めているのかも知れません。
AIを搭載したラブドールの進化
最新のラブドールには、その外観の進化以上に、中身であるAIの進化が目覚ましいと言われています。
もはや「脳」を持ったラブドール。
複数の言葉を話し、感情や癖までも表現します。
この進化は、今後さらに加速して行くと想像されます。
近い将来、限りなく「人間に近い」リアクションを可能にしたラブドールが開発されていくことでしょう。
日本の近未来の姿
このブログでも度々書いて来ていますが、日本の超超高齢化社会は、もうすぐそこまで来ています。
2035年には、日本の総人口に占める65歳以上の高齢者の割合が33.4%になると厚労省所属の機関が発表しています。
現在の日本は「4人にひとりが高齢者」の超高齢化社会ですが、今から18年経つと「3人にひとりが高齢者」の超超高齢化社会になります。
総人口の1/3以上が高齢者という国は、世界でも前例がありません。
社会保障や経済の面でも、多くの不安がありますが、もっと現実的なところでも様々な弊害が出て来ると考えられています。
2035年には、高齢者が世帯主のおよそ44%が一人暮らし(独居)になると予想されています。
つまり日本の近未来の姿は、キラキラした最先端の時代というよりも「高齢者」で「独居」の時代というのが色濃いというのが現実なのです。
急増する独居老人たち
僕は現在、現役介護士として介護施設で働いています。
そこには配偶者と死別したり、家族と同居できなかったりする「独居」高齢者たちが暮らしています。
彼らと日々接していると、その多くの人に共通することがあります。
「高齢者はみんな寂しい」
高齢者の一日を考えると、とにかく他人と接する時間が少ないことが分かります。
介護施設などでは、他の利用者さんや介護士などが側にいますから、まだ他人と会話する機会があります。
しかし自宅で独居生活を送る高齢者は、日々ほとんど他人と話しをする機会がありません。
人間、他人との会話が少なくなると「鬱」状態に陥るリスクがあります。
そうなると益々外出する気も起きなくなり、負のスパイラルが起こりえます。
現在、特別擁護老人ホームなどの介護施設に入居待ちの「待機老人」は50万人以上いると言われています。
行政は、高齢者を施設に入れるのではなく、極力「自宅」で生活出来るようにするという基本方針を打ち出しています。
これからの数十年、自宅で「ひとり」暮す高齢者が爆発的に増加していくのは明らかです。
ラブドールの進化が日本の未来を救う理由
実際に、最近の介護現場ではペット型のロボットや人形型のロボットが、利用者さんの話し相手として導入されているケースも少なくありません。
話しかけた言葉にリアクションをとってくれるロボットは、認知症の患者さんにとってはストレスを軽減するという効果も期待されています。
現在、大人のジャンルで開発が行われているAI機能付きのラブドールですが、性能が上がるに従って介護現場でそのノウハウが生かされる日も遠く無いような気がします。
人間により近い、人口知能を持った人間型ロボットが、近い将来「独居」高齢者の精神的なストレスを軽減し、さらには付き添い歩行や車イスへの移乗など、現在介護士が行っている作業の一端を担う可能性も充分あります。
労働生産人口が激減して行く中、増え続ける高齢者を支えようと、政府は外国人介護士の導入を急いでいますが、僕はその考えには疑問を持っています。
僕が考える介護の基本は「言葉」です。
強い認知症を患う高齢者でも、言葉を掛ける事によってコミュニケーションが取れます。
日本人にとって「言葉の壁」は非常に高いものだと思います。
日本語に不慣れな外国人を登用するより、AI機能を搭載したロボットの方がより現実的だと僕は思います。
「ラブドールから介護へ」というのは、一見ものすごく飛躍した考え方かも知れません。
しかし過去にも経済的に「大人のジャンル」から一般普及した商品は多く存在します。
家庭用のビデオデッキが普及した背景には「大人のビデオ」が大きな貢献をしたことは広く知られています。
そういった需要のあるマーケットで、技術が進歩して行けば製造コストも下がりますし、ノウハウを構築する事が可能です。
信じられないかも知れませんが、日本の未来はまさに「ラブドール」の普及が左右するかもれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
AIに関しては、近年多くのメディアでその是非が問われています。
僕はAIの進化について、人類が進むべき正しいベクトルだと思っています。
少なくとも日本の近未来は、有益な材料はほとんどありません。
大幅な人口減少、生産人口の減少に加えて、高齢者の増加というシナリオは世界のどの国でも体験した事の無い、非常に不安の多い未来を日本は迎える運命にあります。
その不安材料を、AIという最先端技術で補えるのはやはり「日本」という国だからこそだと思います。
僕が高齢者になるころ、当たり前のように家にAI機能を搭載したロボットがいてくれることを期待しています。
介護士ベイベー